9年間引きこもった長男が一家3人惨殺の悲劇
3月29日10時1分配信 日刊ゲンダイ
04年11月、茨城県土浦市で一家3人惨殺事件が起きた。
自宅の玄関には、金づちで頭を叩き割られた飯嶋一美さん(当時57)が転がり、8畳の和室には包丁で100カ所近くの皮膚を裂かれた長女の幸江さん(同31)、トイレ前には妻の澄子さん(同54)の刺殺体があった。
壁や床におびただしい血がへばりつき、一美さんと幸江さんの顔面は捜査員が目を背けたほど無残だった。
殺したのは、この家の長男の勝(31=当時28)だ。95年に高校を卒業し、県内のコンピューター専門学校に入学したが、半年で退学。以来、9年間にわたって、6畳間の自室に引きこもっていた。
部屋には、パソコンやゲーム機すらない。食って寝て排出するだけの9年間だった。
勝は、25歳のときに一度だけ両親からの独立を試みている。だが、半年で自宅に戻ってきた。「なぜ就職しなかったのか?」と聞かれた勝は、抑揚のない声で「父が就職のための書類を取ってくれないから」と答えている。
飯嶋家は、代々この土地の地主で、祖父は市議会議長まで務めた人物。父の一美さんも市役所の幹部で、殺害された年の4月に市立博物館の副館長に就任していた。
息子の将来を悲観した澄子さんは、殺害される直前に保健所に相談した。だが、これを知った夫は、澄子さんに激怒した。地元の名士にとって、大事なのは世間体だった。
今月7日、勝の論告求刑が水戸地裁土浦支部で行われ、検察側は「一片の人間性もない」と死刑を求刑している。裁判長に「最後に何か言っておきたいことはありますか」と促された勝は、ひと言も発しなかった。
最終更新:3月29日10時1分
日刊ゲンダイ
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